「何やってんですか」
「おや、じゃないですか。見てのとおりですよ」
宿屋の部屋のドアを開けるとジェイドがさも当然かのように、私に割り当てられたベットにいた(そして寛いでいる)。
「ふざけんな。自分の部屋に戻りやがってください」
「そんなこと仰らずに。いいじゃないですか、ここにいるくらい」
「ものすごく大問題なんですが」
何故この男はこうなのか。
むしろ何故、この部屋にいる・・・・・・っ?!
この部屋は女部屋のはずで、本当ならこの部屋にいるべきなのは、ティアにナタリア、そしてアニスであって、ジェイドではない。
おかしいではないか。
「つれませんねぇ」
「つれてたまりますか! ・・・・・・ティア達はどこに行ったんですか?」
「三人とも気を利かせて出て行ってくださいました」
「しれっと嘘つかないでください。で、どこですか?」
「さあ?」
「こっの・・・・・・っ!!」
両手を挙げて、『さあ?』の定番ポーズをとられる。
沸々と沸く怒りに、『この野郎』と言いかけ言葉を飲み込んだ。
これでも一応上司だ、これでも。
とりあえず、アニスだけならやりかねないが、ティアは常識人だ。
そんなことをするはずがない(ナタリアはアニスに騙されそうだが)。
「・・・・・・あー、ルークのとこか。特訓会特訓会」
「分かっちゃいましたか。ティアに貴女への伝言を頼まれて来たんですよ」
たしかここ最近、ティアはルークの特訓を手伝っているのだった。
また特訓しに行ったのだろう。
けれどティア、貴女間違ってるよ。
なんでよりによってジェイドに伝言頼んだのよーーー!!
「・・・・・・で? 伝言は何ですか?」
「『夕飯までには帰ります』だそうです」
「はぁ・・・・・・」
溜息をついたところで思い出す。
ならばアニスとナタリアはどこにいるのだろうと。
「じゃあ、アニス達はどこに行ったんですか?」
「宿屋の厨房を借りてナタリアの為の料理教室をやっています。ちなみにガイも参加していますよ」
「なんですって?!」
ガイすらいない?
女性恐怖症だが、常識人な彼すら不在だと?
・・・・・・ああ、私も料理教室に行きたい。
今すぐにでも・・・・・・!!
「つまり、今、私と貴女は二人っきりです」
「へーそうですか。じゃあ私、料理教室に行ってきますんで」
「相思相愛の男女が二人っきりと言えば、やる事は一つでしょう?」
誰が相思相愛だ!
無視して部屋を出ようとドアノブに手を掛けかけたが、退室を阻止された。
後ろから抱きしめられている。
それもかなり力が強い。
「あのー、ジェイドさん? 離してくださいませんかー?」
「嫌ですねー、そんなことするわけないじゃないですか」
「してくださいよ。つーかどさくさに紛れて胸触んなーっ!!」
「おや、照れてるんですか?」
「照れてないっ!!」
「まぁいいでしょう」
そう言ってひょいと横抱きされてしまう。
床から足が離れる。
何とか降りようと抵抗してみたが、男と女の力の差は絶大だった。
そういやこの男は軍人だ、つーか上司だった。
「よくないからっ! ほんと、よくないからっ!!」
「抵抗されると、ますます・・・・・・」
「・・・・・・!!」
にやりとジェイドが笑った。
突然、ぽすっとベットの上に降ろされる。
急いで逃げようとするとジェイドが覆い被さってきた。
顔中、いや全身の血の気が引いた。
「さあ、楽しみましょうか?」
「え、ちょ、冗談ですよね?」
「私はいつだって真面目ですが」
「ぎゃー、胸揉むなーーっ!!」
「愛してますよ、」
「・・・・・・ふ・・・・・・っぁ・・・・・・」
耳元で囁かれ、体中の力が抜ける。
これは、本気でやばいかもしれない。
「遅くなってごめんなさい、。途中で魔物に・・・・・・って大佐っ?!?!」
「ああっ、ティア・・・・・・っ!! 助けてっ!」
「・・・・・・ちっ」
結局、タイミング良く帰ってきてくれたティアに感謝しつつ、友って素晴らしいと思った。
「え? 私、大佐に伝言なんて頼んでないわ」
「ええ・・・・・・っ?!(どうやって部屋に入ったんだ・・・・・・?)」
嫌よ嫌よも好きのうち
大佐はしれっとセクハラしててください(もはやこれはセクハラでは済まない)。
(ディストに)鬼畜な大佐も好きだけど、やっぱりセクハラな大佐の方が好きー。
共感者求む。
・・・・・・なんか、セクハラしか書いてないような・・・・・・?
(2006/02/11)