「このまま、ずっと平和ならいいのに」

「・・・・・・珍しいですね、がそんなことを言うとは」

「それ、どういう意味よ?」



ジェイドったら酷いな。

そんなことを思いつつ、本気でこのままずっと平和ならいいのにと思った。

ヴァンを倒し、瘴気を消した。

ローレライを解放して、つい先日ルークたちが帰ってきた。

平和だ、この上なく。



「あのね、私、時々怖いのよ」

「何がです?」

「こんなにも平和だと、次に何かあったときに耐えられるのかな? とかって」

「・・・・・・あっという間に平和が終わったらどうしよう、と言ったところでしょうか?」

「・・・・・・うん」



ぱたん、とジェイドが読んでいた本を閉じる。

ジェイドの最近良く見る様子だ。

ここ最近はキムラスカとの争いも無く、不穏な動きもまったくない。

必然的に軍の仕事は減っていた。

だからここ何日間は二人でゆっくりと過ごしている。

ずっと望んでいた生活。

これは、良い事。

そう思えば思うほど不安は募っていく。

今の平和は幻想なのかもしれない。



「そんなに不安がらなくても大丈夫ですよ」

「でも・・・・・・」

「例えその時が来てしまっても、私が貴女を守ってみせますから」

「・・・・・・陛下たちは?」

「まぁ、もちろんですよ。少し、気が向きませんがね」

「嘘ばっかり」



ジェイドが微笑む。

私もつられて微笑んだ。

すると、そっと抱きしめられた。

ジェイドの腕に閉じ込められ、彼の香りに体中が包まれる。

とても、心地がよい。



「うん、幸せだわ」



今が、とても幸せ。



「私もですよ、



ジェイドの唇が私の唇に触れる。

始めはゆっくりと、そして徐々に深くなる。

お互いがお互いを求めるようにキスが繰り返される。

いつか平和は終わってしまうかもしれない。

それでも、今だけは平和な幻想にまどろんでいたいの。








この幸せな幻想に身を委ねて



自主課題【大佐を甘くせよ】
見事撃沈。



(2006/02/16)