| 「へぇー。んじゃあ、お前はガイラルディアじゃなくて、なんだな?」 「そういう訳ですね」 ピオニー陛下は、思ったよりもすんなりと入れ替わりを信じてくれた。 ありがたいと思うと同時に、一国の主がこんなに単純で良いのだろうかと、失礼だが不安に思った。 「んで? ガイラルディアは平気なのか?」 「・・・・・・保証しかねます」 「ピンチかもな。今度は男性恐怖症にもなったりして」 流石にそれは困る。 体は私のものだし、なんといっても、ガイが男性恐怖症になんてなったら大変面倒臭い。 ただでさえ、女性恐怖症なのに。 「ところで」 「何ですか、陛か」 「実は俺、両刀使いなんだが」 「そうですか。それではこれで私は失礼させていただきます」 身の危険を感じ、足早に陛下の前から立ち去ろうとした。 しかし、彼がそれを許そうとはしなかった。 「駄目だ」 「貴方は子供ですか・・・・・・?」 「心は永遠の少年だが?」 「聞いた私が馬鹿でした」 適当にあしらってしまうつもりだったのだが、思ったよりも、彼は強情だった。 「今ならジェイドのヤツも邪魔に来ないもんな」 真剣な顔をして、陛下が私との距離を縮める。 ごめんなさいガイ、貴方の純潔は陛下によって奪われそうです。 あと十センチ、五センチ、ああ、三、二、・・・・・・。 「へ・い・かv」 「うおっ、ジェイド!」 「あ・・・・・・、間に合いましたね。ああガイ、私の顔でそんな表情しないでください。大丈夫です、まだセーフですから 「あ、ああ」 口元に薄笑いを浮かべたジェイドとガイ(体は私だが)が部屋に突入してきた。 一応、ジェイドの口は笑ってはいるのだが、目が笑っていない。 脱がされかけた服をジェイド元に戻されながら、なるべく目を合わさないようにする。 多分、色々と不機嫌なのだ。 「大丈夫ですか」 「ええ、私は平気です。どちらかというと、ガイの方が・・・・・・」 ちらりとジェイドがガイを見る。 ガイは明らかに疲れ果てていた。 「・・・・・・一体、何をしたんですか?」 「ちょっとばかし茶目っ気を」 「・・・・・・またベットに潜り込んでいたんですね」 驚いただろうに、ガイは。 目が覚めたらこの男が笑顔で馬乗りになっていて、それで迫られたりしたんだ。 「お疲れ様、いや、ご愁傷様?」 「ホントだよ、全く・・・・・・」 「一応聞きますが、変なことしていませんよね? またはされていないですよね?」 「・・・・・・」 「ガイ、さっさと吐いてしまって」 「・・・・・・このおっさんから逃げれたと思うか?」 「体、見たんですか?」 「め、滅相もない!」 ガイに凄んでみせると直ぐに本当のことを白状した。 できるかぎり暴力沙汰はごめんなので、思ったよりもあっさり降参してくれて助かった。 「なー、俺は置いてきぼりー?」 「貴方が皇帝陛下ですから、襲われかけても人は呼ばなかったんですが」 「悪かったって。ちょっとからかってやろうと思ったんだよ」 「・・・・・・まぁジェイドに比べれば、陛下のなさったことなんて可愛いものです」 「おやー? 私は朝の挨拶をしただけですが?」 「・・・・・・もう結構です。今回被害にあったのはガイですし」 「やっぱり被害なんだな」 がっくりとガイが項垂れる。 無理も無い。 一生もののトラウマとなったのだろう。 それにしても、私の体が私以外の意志で動いているのは気分のいいものではない。 なにより不便だ。 「どうすれば戻るんだ・・・・・・? 俺は自分の体に戻りたい」 「私もです。ジェイド、何かいい案はないですか?」 「案外、寝て起きたら元の体に戻っているかもしれませんよ?」 「うっわ、本みたいだな」 「他に方法は思いつかないし、試してみる価値はあるんじゃないか?」 「そうですね。試してみましょう」 ♪ 「寝て戻るのなら、二度寝すればよかった・・・・・・」 「人間そんなものですよ」 ぎしりとベットのスプリングが軋む音で目が覚めた。 ジェイドが馬乗りになっている。 あぁ、またですか。 「ジェイドに限っては例外な気がします」 「失礼ですねぇ」 結局、ジェイドの言うとおり、寝て起きたら体は元通りだった。 一体なんだったのだろう。 それにしても。 「ねぇ、ジェイド。なぜ私がガイと入れ替わったのだと気が付いたんですか? そういうものは信じないのでは?」 「簡単ですよ。私のキスを貴女が拒んだ、ただそれだけです。・・・・・・では無いなと」 「なんですか、その理由は」 「貴女が私を愛してくれていて、私が貴女を愛しているってことです」 「・・・・・・馬鹿ですか?」 「貴女に関しては馬鹿にもなりますよ」 ベットの上では逃げられそうにないので、大人しく腕を彼に絡ませた。 長いものには巻かれとけ 書いてる本人がもうよく分かっていません(笑) (2006/05/07) |