周りはどんよりとしていて、視界が悪い。
辛うじて私の目の前にいるのが、幼い年頃の少年であることが理解できた。
彼に見覚えは無いけれど、どこか懐かしいその姿。
・・・・・・ああ、意識が、飛びそうだ。
「置いて行かないでぇ・・・・・・っ!」
少年の瞳から涙がぼろぼろと零れ落ち、私に降る。
その雫があまりにも美しく、そして私を切なくさせる。
なぜだか分からない。
それでもその涙は私を切なくさせた。
「一人に・・・・・・っ、しないでよぉ・・・・・・っ!!」
一際大きな雫が私に降り注ぐ。
「お願い、だから・・・・・・っ」
少年に握られていた手を、私はそっと握り返した。
<大丈夫、貴方は一人なんかじゃないよ>
そう言ってあげたかった。
――――――どこからか、歌が、聞こえた気がした。
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