「死なないで・・・・・・っ!」



少年が必死に言う。

私は横たわっていた。





Chapter.0 - Act.0 夢と化した記憶





周りはどんよりとしていて、視界が悪い。

辛うじて私の目の前にいるのが、幼い年頃の少年であることが理解できた。

彼に見覚えは無いけれど、どこか懐かしいその姿。

・・・・・・ああ、意識が、飛びそうだ。



「置いて行かないでぇ・・・・・・っ!」



少年の瞳から涙がぼろぼろと零れ落ち、私に降る。

その雫があまりにも美しく、そして私を切なくさせる。

なぜだか分からない。

それでもその涙は私を切なくさせた。



「一人に・・・・・・っ、しないでよぉ・・・・・・っ!!」



一際大きな雫が私に降り注ぐ。



「お願い、だから・・・・・・っ」



少年に握られていた手を、私はそっと握り返した。

<大丈夫、貴方は一人なんかじゃないよ>

そう言ってあげたかった。





――――――どこからか、歌が、聞こえた気がした。